ビジネスプランの効用

     政府は、セレクトのための資料として活用するのはもちろんのこと、申請書を作成するという行為自体で、ビジネスプランの優位性と作成技術を中小企業に伝えたかったのです。この申請方式は、「中小企業経営革新支援法」から受け継がれているものですが、中小企業庁の報告書によると、支援法において、ビジネスプランを活用し経営革新に取り組んだ企業は、そうでない企業に比べて、売上高で10%以上、付加価値額で約4%伸びています。
     これは、支援法などの支援策の効果もあるでしょうが、向こう3から5年間の自分の会社が進むべき方向性が明らかになったことで、企業全体のベクトルが一定し、限りある経営資源を有効活用できた結果だと言えます。また、経営革新に成功した経営者の中には、ビジョンの整理ができたことによって、顧客に自社の差別化要因を効果的に伝えることができ、その結果、大量の受注増に繋がったという声も目立っています。「促進法」においては、「法律が分かりずらい」「官公庁が施行する支援メニューが少ない」などの批判も聞かれ、基本的にはそれを世襲している「促進法」も、それを大幅に改善できているわけではありませんが、これらの法律を「施策を受けるためのもの」とだけ捉えるのではなく、「ビジネスプラン経営へ挑戦するきっかけ」と捉えるべきです。また、法律の承認を目的、目標とするのではなく、「経営革新の入り口」、もしくは「経営革新を行うためのツール」として捉えていれば、非常に有意義で効果的な法律であると思います。
     この法律の効果は、承認後にのみ現れるのではなく、申請段階から有意義性が発揮できるという点で注目すべき法律です。現在までの承認取得企業は旧中小企業経営革新支援法も合わせると全国で約1万6千件。これは、全国対象企業約600万事業所のうち0.27%なので、希少価値のある貴重な資格といえます。
     こんな素敵な法律があまり知られていない。または名前は知っているけど内容は知らない、という方が多いのではないでしょうか。本来、「促進法」は、我々中小企業者の味方となるスーパー制度なのです。

    *「促進法」は、ゴール、水戸黄門の印籠のようなものではなく、あくまで、「経営革新 のスタート」です。